夢のおはなし

すぅー

っと、ひと筋、またひと筋

わたしの涙は

とてもとても静かに

とてもとても穏やかに

昼下がりのカーテン越しの光に

流れてゆく。

そんな寝起きだった。

あったかくて、かなしい夢を見ていた。

こうやって、夢の内容を書き残すのに思い出そうとすると

また、左目から涙が出てくる。

琴線に触れるあったかさ、かなしさだ。

30代後半くらいの優しそうなきれいな

すずらんの花みたいな女の人。

名前は知らない。

色白の肌。ふわっと長い黒髪に白い麦わら帽子をかぶっている。首にはタオルを巻き付けている。座り込んで作業をしている。

どうやら察するに、何かの発掘作業体験に来ているようだ。

彼女は言った。

あの子は、“つんつん”が好きだった。

ここに来て、発掘を好きになったんです。

だけど、わたしは一緒にすることができなかった。

話を聞くことができなかった。

ここに来て、わたしも“つんつん”すれば、あの子が気持ちがわかるんじゃないか。

聞けるんじゃないか。

あの子とまた会話ができるんじゃないか。

あの子と発掘ができるんじゃないか。

そう思って今日、ここへ来たんです。

あの子にまた会いたくて。

そう言って、やさしく微笑んで、目を潤ませて、また作業を始めた。

そんな夢のおはなし。

きみが眠る頃に – トアルヒト

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